
みなさんは岡山県内でコスプレイベントが開催されているのを見かけたことはあるでしょうか?ある程度認知されていても参加される方はまだまだ少ないかも知れません。今回は知らない人にとっては全く未知の世界、コスプレ界隈を盛り上げるべく立ち上がった、ももコス実行委員会代表のりんごさんにお話を伺いました。はにかみながらもゆっくりと言葉を紡いでいく姿に代表という肩書を背負う覚悟と、多くの方に知っていただきたいという熱意を感じました。夫婦二人三脚で挑む岡山のコスプレ文化の定着への挑戦。よろしければご一読ください。
#01 ネモフィラに集う
達也:よろしくお願いいたします。
りんご:はい、よろしくお願いいたします。
達也:りんごさんはコスプレイヤーさんですね。衣装もメイクもバッチリで素敵です。
りんご:ありがとうございます(笑)今回はとあるゲームのキャラクターになって来ました。一応、取材なのでゲームやキャラクターの名称は控えますね。
達也:見ている方の中には知っている人がいるかもですね。

りんご:本当はこのキャラクターは武器も装備しているんですよ。
達也:そうなんですね、衣装は購入できそうですが、武器って売ってるものなんですか?
りんご:いえ、あまり売ってないので器用な人は手作りしていますね。プラ板を切り出したり、スプレーで色を塗ったり。
達也:私もプラモデルが好きだったんですが、似た領域かもですね。
りんご:そうかもですね(笑)
達也:今回、取材させていただくのは、りんごさんが代表として開催するコスプレイヤーのためのイベントですね。そちらの詳細も伺えますか?
りんご:はい、イベント名は「ももコス」と言います。岡山の美しいロケーションを背景に撮影やコスプレイヤーさん同士の交流をしていただく内容になっています。このイベントが取り組みの第1弾なのですが、今後は「ももコス」という枠組みの中で、コスプレイヤーさんのためのサービスも展開したいと考えております。
達也:なるほど、イベントだけでなく、今後も色々と展開していきたいんですね。ぜひ後ほど聞かせてください。場所はどちらになりますか?
りんご:記念すべき第1回は、おかやまフォレストパーク ドイツの森です。
達也:岡山県民にとってはおなじみの場所ですね。
りんご:そうですね、自然の風景もあって写真映えするロケーションが楽しめると思います。ちょうど開催時期には、ネモフィラという花が咲いていてきれいなんです。
達也:ネモフィラですか。
りんご:今日、私が着ているこの衣装のゲームでも登場したり、最近話題になった少年漫画でもモチーフとして使われていたりして、せっかく4月に開催するならネモフィラと一緒に撮りたいなと思ったんです。

達也:素敵ですね。きれいな青い花なんですね。
りんご:そうなんです。きれいですよね!
達也:岡山県民に愛されているドイツの森で、ゲーム・アニメファンにも馴染み深いネモフィラと一緒に撮影できるというのは、コスプレイヤーさんならではの視点ですね。
りんご:ありがとうございます。
達也:参加人数はどれくらいを予定されているんですか?
りんご:コスプレイヤーさんは100名、カメラマンさんは30名の参加を目指しています。合計130名です。
達也:岡山にもたくさんコスプレイヤーさんがいらっしゃるんですね。
りんご:そうですね、岡山県内にもたくさんいらっしゃるんですが、広島、香川、兵庫、大阪からも参加する方もいらっしゃいます。
達也:きれいな写真を撮るためにみなさんアクティブに動かれているんですね!
りんご:そうですね、美しいロケーションの中で撮影できるのは限られた期間なので。それからコスプレイヤーさんは普段はSNSで交流しているので、オフでも交流したい気持ちが強いと思います。イベント時も好きなキャラのコスプレをしている方を見つけると、声をかけたりとか、離れたところで眺めながらドキドキしたりとか。
達也:同じ趣味同士の人が集まる一体感を感じます。イベント詳細をお伺いできますか?
りんご:はい!

- イベント名:ももコス~岡山で一番楽しいコスプレ祭り~
- 日時:4月20日(日) 11:00-17:00
- 会場:フォレストパーク ドイツの森
- 住所:岡山県赤磐市仁堀中2006
(ホームページまたはXでは、随時イベントの詳細を発信しています。ぜひブックマーク・フォローの上、ご覧ください)

#02 3種類のコスプレイベント
達也:コスプレイベントって、参加したことないので、もう少しお伺いできますか?
りんご:はい、コスプレイベントには大きく3種類あります。撮影メインのもの、パフォーマンスメインのもの、交流メインのものです。

入船:なるほど。
りんご:撮影メインのものは、今回のももコスのような美しいロケーションで行われるものが多いです。イベントプログラムは特にないものが多くて、集まった方が自由に撮影できる感じですね。
入船:どちらかというとコスプレイヤーさんに素敵なロケーションを提供するようなイメージですね。
りんご:ええ、パフォーマンスメインのものは、ステージが用意されていてコスプレをしながら歌ったり、踊ったりといったパフォーマンスを披露するものですね。
入船:一般の方にとっては、観覧しやすいイベントですね。
りんご:そうですね!交流メインのものは岡山ではあまり開催されていないんですが、コスプレイヤーさん向けの異業種交流会みたいな感じですね。ビンゴ大会をしたりとか、企画があったり、ワークショップをしながら交流を深めるものです。
入船:色々あるんですね。そして今回は、その中でも撮影メインのイベントになるという感じですね。
りんご:はい。
入船:交流メインは少ないとおっしゃっていましたが、岡山でも撮影やパフォーマンス型のイベントはよく開催されているんでしょうか?
りんご:ええ、倉敷の美観地区や岡山城などでも行っていますよ。私は地元が愛媛なんですけど、岡山は愛媛に比べて団体も多いですし、積極的にイベントしていると思います。
入船:そうなんですね、せっかくいろんな団体がいらっしゃって、活発な岡山ですから「ももコス」も界隈を盛り上げる一翼を担えると良いですね。
りんご:そうですね、岡山のコスプレ文化を広めるのが夢なので、実現したいと思っています。


#03 ももコスの目指す先
達也:夢のお話が出たので、冒頭でも触れていただいた今後の展開についてもお伺いできますか?
りんご:はい、この取材を受けている時点では決まっているものはないのですが、夢のお話をしてもいいですか?
達也:ぜひお願いします、協力してくださったり、一緒に考えてくださる方が出てくるかも知れませんね。
りんご:今回のような撮影メインのイベントですと大きな商業施設や遊園地など開催のハードルが高い所で開催をしたいと思っています。
達也:良さそうですね。倉敷の大型商業施設でもコスプレイベントを見かけましたが、そんなイメージですね。
りんご:そうですね、岡山市でもできたらなって思うんです。交流メインのイベントも企画したいと思っていまして、ホテルの大広間を借りて、お互いのことをもっと知り合えるような企画ができたらなと。コスプレイヤーさんってみなさん名刺を持たれていて、名刺交換も文化としてあるんですよ。
達也:本当に異業種交流会のような雰囲気ですね(笑)
りんご:そうですね、名刺にお菓子をつけて渡して覚えてもらったり、Xアカウントを相互フォローしたりという感じです。
達也:コスプレイヤーさんがつながる理由って、どんな物があるんですか?
りんご:そうですね、世代を超えて同じ趣味を楽しめる人が増えると一緒にイベントに行くにしてもワクワクするんです。後は作品によって主人公が複数人いるものは、「私はこのキャラの服持ってる」とか「僕はこのキャラいけます」みたいな感じで集まって写真を撮るんです。
達也:某海賊一味みたいな感じでしょうか(笑)
りんご:まさにそんな感じです。作品名言えないとインタビュー難しいですね(笑)
達也:たしかに!
りんご:あとはコスプレイヤーさんのためのお祭りがしたいですね。
達也:お祭りですか?
りんご:はい、屋台を楽しみながら撮影できるイベントです。
達也:へー、きれいな衣装が汚れそうですが、屋台でご飯を食べたいんですね。
りんご:そうです、コスプレイヤーさん100人に協力していただいて、アンケートを取ったことがあったんです。
達也:すごいですね!
りんご:アンケートはマネージャーも協力してくれたんです。それで、ももコスにどんなことを期待しているかの質問では、「交流」という回答が多かったのですが、「食べ物を食べたい」という意見もたくさんあったんです。
達也:意外ですね。
りんご:たとえば、今日の私のキャラクターは氷系統のタイプなのですが、いつもアイスを食べているんです。撮影となると小物として偽物のアイスを用意するんですが、商業施設やお祭り屋台なら本物を持って撮影できるんです。すごくワクワクしませんか?
達也:なるほど、単純にグルメを楽しむだけでなく、本物のフードで撮影したいんですね。それは納得です。
りんご:素の自分のことをコスプレイヤーは「自我」っていうんですけど、自我でお祭りにいくのは、よくあると思うんです。でもコスプレしてキャラクターになりきってお祭りを楽しみながらカメラマンさんに撮影してもらうのがいいと思うんです。

#04 マネージャー登場!
勝俣 将樹(以下、かっちゃん):他にもありまして。
達也:かっちゃん!?

かっちゃん:はい、りんごのマネージャー兼夫のかっちゃんです。私からも今後の展望の話をさせてください。
達也:な、なるほど。どうぞどうぞ。
かっちゃん:はい、まずは武器の販売です。
達也:そういえば、今日のりんごさんのコスプレは武器を持っているのが正しいんですよね?
かっちゃん:そうなんです、コスプレイヤーさんにとって衣装は比較的購入しやすいんですが、武器や小物は自作されるケースが多いんです。武器以外ですとカバンとかステッキとかですね。まだ国内での販売はあまり進んでいないんです。
達也:なるほど、その販売を行って、より世界観を楽しんでいただくんですね。
かっちゃん:そういうことです、なのでネットショップからコスプレ用の武器販売ができたらと思っています。
達也:ネット上の武器屋さんですね。面白い!
かっちゃん:あとはコスプレイヤーさんのインタビューしたウェブマガジンもいいなと思っています。さっきもりんごから話がありましたが、コスプレイヤーさんは交流したいと考えている人が多いので、その手助けができればと。
達也:Xアカウントではわからないコスプレイヤーさんの情報が見れるわけですね。
かっちゃん:そうですね、さきほど某海賊一味の話も出ましたが、コスプレ可能なキャラクターや持っている衣装情報をシェアすることでチームでの参加を促す目的です。
達也:コスプレイヤーさんを紹介する他に、交流に必要な情報がマイページで管理できると交流が促されるサービスになりそうですね!
かっちゃん:はい、りんごも言っていましたが、岡山のコスプレ文化を一層根付かせるために私の方からできるアプローチは色々行っていきたいと思っています。
達也:夫婦二人三脚で夢を実現させるって、推せるなー!

#05 夫と一緒に踏み出した一歩
達也:りんごさんがコスプレイヤーになったきっかけは、どのようなものだったのでしょうか?
りんご:はい、直接のきっかけではないんですが、子供の頃からコスプレ衣装を着るのは好きで、幼児向けの衣装を着てポーズを決めている写真とかもたくさん残っているんです。

達也:元々なりきるのが好きだったんですね。
りんご:大きくなって行くにつれて、一旦コスプレは疎遠になって、アニメや漫画オタクになっていたんです。高校時代には隣のクラスにコスプレをしている子がいて仲良くなりました。それで文化祭を盛り上げるために何しようかとなった時に出たアイデアがコスプレでした。
達也:楽しそうですね!
りんご:私も好きなキャラクターのコスプレ衣装を買って、みんなもメイド服を着て、かき氷を売りました。そこで改めてコスプレって楽しいと思ったんです。
達也:一旦疎遠になったものの、文化祭をきっかけにコスプレの魅力を再度発見したんですね。
りんご:そうです、それで仲良くなった子たちからカメコ(カメラマン)をしてほしいと言われて、一緒にイベントに参加しました。
達也:大きくなってからのコスプレイベントは、カメラマンが先だったんですね。
りんご:はい、私もカメラの知識がないのに大丈夫かなと思っていたんですが、兄に一眼レフカメラを借りて参加したんです。そしたら会場のコスプレイヤーさんが、可愛くて、きれいで、格好良くて、本当に参加してよかったと思ったんです。
達也:本格的なコスプレイベントで感銘を受けたんですね。そのまま大人になってもコスプレイベントへ参加していたんでしょうか?
りんご:社会人になってからは、婚活したり、忙しかったり、病んだりしていたので、また疎遠になってしまいました。当時はコスプレするどころではなかったんですけど、彼と出会って、世界が広がって、ずっと家の中で引きこもっている私を連れ出してくれたんです。
達也:かっちゃんですね。
かっちゃん:(静かな微笑み。)
りんご:彼に色んなところに連れ出してもらって、岡山にも引っ越してきました。そしたら自分のやりたいことがだんだん見えてきて、愛媛ではできなかったけど、岡山でならできる、彼とならできると思ったんです。
達也:良い出会いでしたね。
りんご:はい、去年の3月から本格的にコスプレイヤーとして活動することになりました。
達也:イベントに参加するだけでなく、自身で企画したいと思ったきっかけはありますか?
りんご:そうですね、昨年、岡山イオンで参加したコスプレイベントがすごく印象的だったんです。コスプレイヤーさんが思い思いの衣装で楽しそうに写真を撮られていて、こんな素敵な場所があるんだと感動したんです。このドキドキを私が作り出せたらいいなと思ったんです。
達也:コスプレイヤーさんがドキドキ、ワクワクできるイベントとサービス展開が実ると良いですね!最後にお写真を一緒に取ってもらってもいいですか?
りんご:はい、お願いします。


#06 編集後記
今回は、コスプレイヤー兼ももコス代表のりんごさんにお話を伺ってまいりました。
話すのは苦手とおっしゃっていましたが、好きなこと、大切にしていることについては熱く語る場面もあり、イベントへの思いを感じました。紆余曲折を経て、本当に自分自身がやりたいことを見つけたこと、それをサポートしてくれる素晴らしいパートナーに巡り会えたことが本当に素晴らしい御縁だったと思います。夫であり、マネージャーのかっちゃんと夫婦二人三脚で、ぜひ夢を叶えていただけたらと思います。
この度は取材協力ありがとうございました。
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